コンテンツを起点とするマクドナルドのマス パーソナライゼーション

Sprinklr Team

2017年4月21日1 分で読めます

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以下の文章は、デジタル広告に特化したニュースサイト「AdExchanger」に掲載されたマクドナルド社の「マス パーソナライゼーション」に関する記事の日本語訳です。同社は、デジタル トランスフォーメーション領域で様々な試みをしており、この記事で紹介されたパーソナライゼーション(個人単位の行動や嗜好に合わせたコミュニケーション)を大規模に展開するという施策は業種を問わず有効だと考えられます。是非ご一読ください。

コンテンツを起点とするマクドナルドのマス パーソナライゼーション

著者:ケリー リヤカサ// 2017年4月14日金曜日9:00 am

元記事:For McDonald’s, Mass Personalization Begins With Content

マクドナルドでは現在、より多くのミレニアル世代を惹きつけようと、「マス パーソナライゼーション」に力を入れています。マーケティング対象は「全米の消費者」であるとはいえ、店舗の多くは地域に根付いたフランチャイズで運営されています。そのため、全国レベルのコンテンツに加え、各地のコミュニティの心をつかむコンテンツが必要となります。

マクドナルドのような規模でスムーズなオペレーションを実現するには、マーケティング、広告、リサーチ、カスタマーケアなど、組織内の様々な部門を統合する必要があります。そんなマクドナルドの中枢を担っているのが、新しいデジタルコマンドセンターです。

マクドナルドのカスタマーエクスペリエンスおよびソーシャルエンゲージメント担当ディレクターであるポール マットソン氏は、マーケティング戦略におけるコンテンツとテクノロジーの役割について、AdExchangerのインタビューに以下のように答えています。

AdExchanger:マクドナルドでのあなたの役割を教えてください。

ポール マットソン:ペイド、アーンド、オウンドを統合したマーケティング部門で、「消費者にいかに語りかけるか」という課題に取り組んでいます。店内やドライブスルー以外の場所にいる消費者に対し、マクドナルドはどのように関わっていけるのか、どのような会話が持てるのか、ということを考えるのが私の仕事です。

どのような事業ユニットと連携していますか?

私は米国のビジネスユニットと連携し、特にメッセージのパーソナライゼーションに力をいれています。ここ数年、有名ブランド各社はパーソナライゼーションに取り組んできましたが、既に「マス パーソナライゼーション」という概念も登場しています。CRMアプリケーションやソーシャルの領域に適用され、タイアップ広告からカスタマーサポート、カスタマーエクスペリエンスに至るまで、幅広く展開されています。しかし、当社の場合は、マクドナルドならではの規模が課題となっているのです。

なぜ規模が課題になるのでしょうか?

米国の全人口とほぼ同じ規模のオーディエンス一人ひとりに、スピード感をもって語りかけるとなると、膨大な費用がかかります。マス パーソナライゼーションの最も難しい点は、コストを抑えながら様々な人に対し、いかに人間味のあるコミュニケーションを取っていくかということです。そこで重要になってくるのが、テクノロジーです。Sprinklrのようなプラットフォームを活用することで、様々なプロセスの自動化が可能になります。ソーシャルを利用することで、グローバルブランドも、「人間」として消費者と関わることが可能になるのです。

マクドナルドでは、Sprinklrをどのように活用していますか?

Sprinklrによって、大きなチャンスの見極めや、顧客ニーズや過去のやり取りに基づいた優先付けを迅速に行うことが可能になります。当社はインターネット上でよく話題にされるブランドのひとつであり、しばしばスターバックスなどの競合他社を上回っています。Sprinklrは、これまで当社が全国および地域レベルで発信してきたメッセージや広告を格納するリポジトリとなっています。

地域固有のニーズにどの程度対応されていますか?

米国だけで約14,300店舗を展開していますが、その大部分は個人のフランチャイズオーナーが経営しています。地元のコミュニティを一番良く理解しているのはそのオーナーたちです。そのため、当社のようなブランドの場合、全国的なキャンペーンを、地域に合わせて文言を変えて展開するということもあります。例えば、最近行ったビッグマックのキャンペーンでは、グランドマック、マックジュニア、従来サイズの3つを用意し、全国共通の広告と同時に、各地域のニーズに合わせた地方版のバリエーションを作りました。

Sprinklrを活用すれば、盛り上がっているコンテンツや全国レベルで興味を引くようなコンテンツなど、さらに大きく展開するチャンスを見つけることができます。

地域に合わせたキャンペーンの可能性について教えてください。

広告やパーソナライゼーションにおいて、最もパワフルなのは地域性です。ビッグマックのマス広告や大型キャンペーンでは、全国で毎日のように地域に根付いたストーリーが投稿されます。例えば、地元のバスケットボールチームがその地域のチャンピオンシップに初出場する時に、マクドナルドはどう絡んでいけるのか、といったことです。ローカルなレベルで、何が起きているのかに注目していきたいと思っています。

どのプラットフォームに投資するかどう決めているのでしょうか。

エンゲージメントを無理に追い求めることはしていません。SnapchatのSpectaclesのような、新しいフォーマット、新しいチャネルが次々に登場しており、そうした流れに飛びつくブランドもたくさんあります。新しいフォーマットをいち早く取り入れるブランドになることにも、それなりのメリットはあると思います。しかし、私たちが目指しているのは、革新性とブランドとしての自然な立ち位置とのバランスをとることです。当初はライブ動画にも非常に苦労しました。「何かをライブでやって、それをネットで配信する」という行為には、様々なリスクが付いてまわるからです。必要に応じてリスク緩和対策をとり、法律顧問等、多くの承認フローを経ることで、ライブ動画の運用が可能になっています。法律顧問には、かなり寛容な目で見守ってもらっていると思います。

「エンゲージメント」という観点から、最も関心のあるチャネルは何ですか?

マクドナルドには、Facebook、Snapchat、Twitterといった代表的なプラットフォームとの間に強い関係があることは強みと言えるでしょう。新しい製品がリリースされた場合、当社がその第一ユーザーとなることがよくあります。

2015年に、マクドナルドはSnapchatのGeofilterを全米規模で最初にローンチしたブランドとなりました。また、YouTubeの360度動画を最初に導入したのも当社でした。とはいえ、「最初にやる」ということを重視しているわけではありません。採用の理由は、戦略上効果があると判断したからです。人々の関心が高まっているフォーマットとして注目しているのは、短いライブ動画。「マイクロ モーメント」にリアルタイムの体験ができる、というものです。一方360度動画にはそれほど関心は持っておらず、将来的には扱いにくい部分が出てくるのではないかと思っています。

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